長い夢の副産物
僕にとって、長期休暇とは長くて醒めない夢を見ているようなものだ。休みが始まったあたりから序々に床に着く時間が遅くなり、次第に日々の生活は昼夜逆転の様相を見せ始める。そして、午前三時頃に寝て昼の一時頃に起きるという生活パターンが定着してくるのだ。
昼過ぎに起きると、まずするのはシャワーを浴びること。特にこの季節、暑いシャワーを長い時間かけて浴びるというのは、とても僕の好むことだ。しかし、そのシャワーを浴びるという行為自体も、夢を見ているということに繋がっている。
午前三時から昼の一時というと、大体10時間程睡眠をとっている計算になるが、10時間も睡眠をとると人間誰でも睡眠が浅くなるものであり、頻繁に夢を見るようになる。そして昼過ぎに起き(熱い)シャワーを浴びると、醒める頭もなかなか醒めないのである。そしてその後、外出することがあれば、大体午後四時から五時ぐらいに家を出る。そうすると、夕方の電車に揺られることになる。午後一時に起きて数時間経っても、あまり時間の経過が感じられないので、朝起きたつもりでも、実際には夕方に起きてることになる。
人間、朝目覚める時、太陽の光によってその体内時計をリセットすると言われているが、僕の場合、それがないために、ずーっと眠ったまま、つまり夢と醒めている時に見ている目の前の光景が区別つかなくなっている。いや、区別はつくのだが、あまり大差なく感じられる。夢だってリアルだし、現実だってリアルなのだ。
しかしながら、その連続して夢を見ている状態が危険だと言いたいのではない。(いろいろ意見はあるだろうが)夢ばっかり、というのもまんざら悪いものではない。僕の場合、見る夢の内容は明らかに偏っている。偏っているという言い方はちょっと違うのかもしれないが、とにかく、不愉快な夢は見ないのだ。不愉快というのは、よくドラマとかでハッとしてベッドから起き上がるような、怖気に迫るような夢とか、あるいは何者かに延々と追い掛けられたり、あるいは逆に延々と続く道を歩いたり、そういうような抽象的な夢はあまり見ない。日頃から妄想家なだけに、リアル指向の夢が多い。
とにかく、僕の見る夢は楽しい楽しくないは別にしても、嫌な夢は全くないのだ。そういう意味では、僕の夢は一種のエンターテイメントである。自分が参加している映画みたいなもんで、現にアクションものの映画を見た後に寝ると、よく銃撃戦をしている自分がいたりするものである。
この夢というエンターテイメントは、寝る前に見たり聞いたりしたものが大きく関与することはあるものの、すべてが自分の意図しないところで起こるイマジネーションの世界で、ほぼ100%が無意識下で、でもすべて自分が作り出し、考え出したものなのだ。そのクリエイティブ性に富んだ夢は、何かモノを作る人間にとっては、とても重要な手がかりとなる。
僕がこのようにホームページのデザインをいろいろと考えて、実際にアップロードして公開できるものが完成する時は、いつでも長期休暇の間である。それは夢を見て、いろいろなインスピレーションを夢から得て(無意識下にだよ)、そして、なんといっても夜中に作ることが重要なのだ。夜は人間をハイにする。テンションが高い時は暴走しがちではあるが、それ以上に自分自身の能力を高めることもある。
そう、僕が作っているデザインは、すべて夢の副産物なのだ(って言うとちょっとカッコよすぎか?)