ユビキタスはヲタだけのものなのか


筆者は初めて無線LANを目にしたとき、「ユビキタスネットワークを実現する切り札はこれだ」と実感したことをよく覚えている。帯域に余裕のない携帯電話では安価なデータ通信サービスを望むのは不可能に近いし、通信速度もそれほど速くはない。しかも、キーが少ないため効率的に入力ができない携帯電話は、決してパソコンの代わりにはならない。筆者は、外出中や出張中でも携帯電話でインターネットサービスを利用することはほとんどない。効率が悪く、時間の無駄だからだ。
たしかに、現状の携帯電話ではパソコンに劣る部分は多い。けど、大多数の人間から見て、パソコンを持ち歩いてどこでも仕事をすることが本当に必要なことに思えるのか? 少なくとも、過去数年のうちに、iモードをはじめとする携帯によるネット接続サービスが爆発的に普及したのは、大多数がそれで不可なく思っているからではないのか?
人によって「ユビキタス」という言葉に求める意味はそれぞれだろうが、少なくとも大多数の視点から見れば、現状の携帯電話で必要十分だと思う。