色、再考。

僕が色を重視しない理由について少し考えてみた。
例えばid:kinaさんの言う「綺麗な色」というのは、とても女性的だなあ、と思うわけで。少なくとも彼女の目に映る「色」が彼女にとって「好ましい」からそう思えるのだろうけど、僕は「綺麗な色」と言われると、「何と比較して綺麗なのか」ということを考えてしまう。
何度も言うけれど、僕は色に優劣は無いと思っているし、故に色そのものには綺麗だとか美しいだとかは思わない。これについて自己分析してしまうと、以前から、そして他のことで常々思っていることなのだけど、自分はつくづくネットエイジャーだなあ、と思うのだ。14歳ではじめて自分のMacをネットに繋げてからもうすぐ6年が経とうとしているけど、この10代の時期に、デジタルやロジック、そしてネットワークという存在にどっぷりつかったおかげで、今の自分が間違いなく形づくられていると、重々思うのだ。
これが色とどう繋がってくるのかと言うと、ネットエイジャーというよりかは、むしろMacで創作活動*1をしてきたことに関係がある。文章を書くときは常にJedit*2だったし、音楽はMIDIを使い、絵を描くときはPhotoshopIllustrator。特に、色塗りは完全にデジタルで済ませていた*3故に、色に対する執着が少ない。
デジタルでは、1677万色のフルカラー、すべての色が自由に選べる。つまり、自分が必要と思った色はすべて自分の手中におさめられるのだ。小学校の頃、図工の時間で、一生懸命絵の具を混ぜ合わせてできた色を先生に「いい色が出来たね」と褒められることも、デジタルでは有り得ない。「いい色」は出来て当然だから。
ちなみに、僕がサイトを作るときの色の選び方は特にこだわりがあるわけではない。別にレイアウトを決める前でも後でもいいんだけど、その時の気分次第で、ある程度の色相・明度は決める。そしてその色をベースにして、細部の色を決めていく。文字の部分は読みやすいように背景を明るくしたり、とか。あくまでセンスの問題ではなく、実用上の問題として、色同士の相関性を考える。まあ、結果的にモノトーンになってしまいがちなのだけど、アクセントとして、差し色に補色を使ってみたりも。ただし、必ず基本はwebsafeカラーを選ぶこと。逆に、発色を考え過ぎで、あーでもないこーでもないとスライダをこねくり回して、結果的にwebsafeでない色を選び、結局他機種や他ブラウザでうんこな発色になったら元も子もない。逆に他機種での発色を気にしないのならwebsafe以外カラーでもいいと思うが、それは結局グレースケールでサイトを作ってしまうのと大差ないわけで。
で、結局、僕は「いい色だなあ」と思うことは、少なくともデジタルやウェブデザインの上では有り得ない話なんだな。もっとも「いい色使いだなあ」と思うことは山ほどあるけどね。例えば、塗りやタッチ、色の選び方に関しては、コザキユウスケ氏のイラストとか、激しく好み。彼は渋めのタッチと色使いなので、これを好むあたり、自分の性格がにじみ出てるなあ、と思う。まあ、基本は斜に構えて生きている人間なので、原色の持つストレートさには到底耐えられんのですよ。

*1:と言うには陳腐だが

*2:Macでは有名なエディタ

*3:絵の具を塗るのが苦手なのだ