夢日記「旅から帰ってきたら戦争」
僕は単車で走るディーゼル車に乗って、おそらくは北海道とおぼしき一面緑の原野を旅していた。田舎で単車だというのに、乗客はそこそこ。運転席の後ろからひたすら同じ風景の続く車窓を眺めていたら、突如運転しが急ブレーキをかけた。
単線を走っているはずなのに、対向列車がやってきたのだ。このままでは正面衝突する、と直感的に感じた僕は、乗客の中で一番早く、急ブレーキをかけてもまだ停車しない車両の窓から、線路際へと飛び下りた。飛び下りた瞬間、2台のディーゼルカーは正面衝突して、対向列車のほうが僕に向かって転覆してきたのだけど、僕は間一髪でそれをやり過ごし、何もないだだっぴろい原野の真ん中で、正面衝突、脱線、転覆した2台の気動車。幸い死者や重傷人は無く、双方の車両からぞくぞくと乗客達が降りてくる。
「いやー、ひどいことになりましたな。」
「そうですね。」
初老の紳士が声をかけてきたので、適当に相槌を打った。なぜか命の危機をかいくぐったというような実感や、安堵感、逆にこれからこの原野でどうすればいいのかという不安などは全く感じなかった。むしろ、すべては起こるべくして起こった、というようなデジャブにも似た気分。周囲の人々もなんとなくそんな感じで、原野の真ん中に転がっている巨大な油まみれの鉄の塊を、みんなぼんやりと眺めていた。
結局線路からそんなに離れていない場所に廃校になった小学校があって、そこにあった回線の生きている電話を通じて救助を待った。
そこからどのように救助されてどういう行程を踏んだのかは記憶にないのだけど、最終的には日の落ちる頃に地元の駅へと帰ってきていた。
事故のことは散々だったとは思ったが、独りで北海道を長期間旅したことや無事辿り着けたことで、充実感を胸に自宅までを徒歩で帰ろうと、バスターミナルの前を歩いていた時だった。
突然爆音が鳴り響いたと思ったら、空には4機の見たこともないヘリコプターが物凄いスピードで飛び去って行った。その形状は、一瞬見ただけでは普通のヘリコプターとは思えない。なんていうか、シコルスキー サイファーIIIみたいな感じ。
「変だなあ。戦争でも始まるのかなあ、、、」と思いつつも街はそれほど混乱していた様子もなかったので、用心深く空を見つめながら帰途を急いだら、明らかに攻撃ヘリと思わしき高度からバルカンから曳光弾を地上に向けて撃ちこんでいたりとか、暗い夜空を巡航ミサイルが尾を引いて飛び、それを迎え撃つ迎撃ミサイルが迎撃に成功したりとか、失敗したりする軌跡を眺めているうちに、「これは本当にマズいことになっているかもしれないぞ」と思ったりもしたけど、結局それ以上のことは何も怒らず、無事帰宅したのでした。
翌朝の新聞を見てみると、昨晩の出来事はすべて「テロ」で済まされ、自衛隊とか他の国の軍隊っていうのは全く関与してなかったらしい。空自の広報氏が必死に関与を否定しているインタビューがテレビに流れてたりもしていた。
しかし、あれだけの兵器オンパレードなのに、死傷者が全く居なかったので、世間は当惑気味のようだった。
てな夢でした。