横尾 by ヨコオ

昨日はせんせいと京都国立近代美術館横尾忠則を観てきた。*1まず行く道中、先生と「横尾忠則はアートなのか、サブカルなのか」という話をしたんだけど、結局そのときは結論がつかず、「観てから決めよう」ということに。
家に母親が買った横尾忠則の画集があったこともあり、もちろん彼の代表的な作品は知っていたし、テレビでも、5歳のときに彼が模写したという、あまりに天才的な「巌流島の決闘」を取り上げた番組を観たこともある。ただ、やはり彼はビビッドな色使いと、趣味の悪いカタチ、というかデザイン、というイメージが先入観にあって、どうしてもアートというよりは、サブカル的に捉えていた。*2
実際この展示では、その展示されている作品数はかなり多く、美術館を出た後はふたりとも「お腹いっぱい」状態だった。ただ、その幅広いラインナップから推察するに、必ずしもギトギトした作品ばかりでなく、街のY字路を描いた風景画*3や、ま、ようするにわりと大人しい作品もいくつかあった。だが、結局はウェイトの問題として、やはり彼の主たる部分は、ギトギト系だと思う。
で、彼の作品はアートなのかサブカルなのかという点では、結局サブカルであると判断することにした。彼の作品がもつギトギトなエッセンスがサブカルではない。彼の作品には、非常に多くの共通したモチーフ、例えば蒸気機関車や、亡くなった彼の友人達の写真、髑髏。それらのモチーフを様々な作品にちりばめ、組み合わせている。実はそれが一番のサブカル的ポイントだと思う。そういう意味では、最近色々なところでもてはやされている村上隆サブカルそのものだと思う。
とりあえず、京都はやはり蒸し暑かったです。

*1:本当はひとりでスパイ・ゾルゲを大阪で観るつもりだったんだがな。

*2:もっとも、サブカルもアングラもその定義は非常に曖昧だけども

*3:これにはたくさんバリエントがあって、僕はどれも気に入ったのだけど。