鉄オタが非オタの彼女に鉄道世界を軽く紹介するための10形式

まあ、どのくらいの数の鉄オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らない鉄道の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、アニメのことを紹介するために見せるべき10形式を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女に鉄道を布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴う細かな番台区分の多い車両は避けたい。
あと、いくら鉄道的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
鉄道好きが『旧新橋駅のホームの遺構』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は

  • 鉄道車両知識はいわゆる通勤通学車両的なものを除けば、新幹線のカタチぐらいは知っている
  • サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

103系国鉄

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「新性能化以前」を濃縮しきっていて、「新性能化以後」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。まだ関西以西なら走ってるし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この情報過多な形式について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

E231系E233系JR東日本

アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうな車両(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「車両オタとしてはこの二つは“通勤形式”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

285系JR東海・西日本)

ある種の車両オタが持ってる夜行列車への憧憬と、ミサワホーム監修の非オタ的な内装へのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも長距離列車的な

の二大特徴をはじめとして、車両オタ好きのする構造を編成随所にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

名鉄7000系名古屋鉄道

たぶんこれを見た彼女は「ロマンスカーだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の車両が名鉄ではその後続いていないこと、これが小田急では大人気になったこと、小田急なら21世紀仕様でVSEを造ったけど、それを真似て名鉄も似たコンセプトの車両を製作してもおかしくはなさそうなのに、こういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

521系JR西日本

「やっぱり交直流電車はデッドセクション越えるためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「E531系」でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この形式にかける福井県滋賀県の思いが好きだから。
断腸の思いで削りに削ってそれでも40億円、っていう予算がどうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「(汽車ではなく)電車」ということへの諦めきれなさがいかにも地方的だなあと思えてしまうから。
交直流車2両1編成4億円を俺自身は高価とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、一方でこれが常総の中小私鉄だったらきっちり気動車化してしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけて交直流形の新車を作ってしまう、というあたり、どうしても「デッドセクションを電車で越えたいオタ」としては、たとえ福井県滋賀県がそういう本望でなかったとしても、我電引鉄感を禁じ得ない。車両自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

80系(国鉄

今の若年層でつりかけ車見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
151系こだまよりも前の段階で、電車による長距離大量輸送とか明るい色の車体塗装とかはこの車両で頂点に達していたとも言えて、こういうクオリティの車両がSLやぶどう色の電車に混じってこの時代に走っていたんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなく鉄道好きとしては不思議に誇らしいし、いわゆるGREENMAXの模型でしか旧国を知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

0系(国鉄

島の「目」あるいは「鉄道づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。「終わらない高速化を毎日生きる」的な感覚が鉄オタには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそ戦後版『弾丸列車』はSHINKANSEN以外ではあり得なかったとも思う。
「高速化した日常を生きる」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の源は0系にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

113系3800番台(JR西日本

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういう廃車寸前の国鉄形をこういうかたちで先頭車化して、それが非オタに受け入れられるか気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

阪急6000系(3連)(阪急電鉄

9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、甲陽線運用に入る6000系を選んだ。
国鉄形から始まって私鉄で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、ハルヒ以降の聖地巡礼用車両の先駆けとなった形式でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10形式目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。
「駄目だこの増田は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。


これもコピペだお!
ネタ元:http://anond.hatelabo.jp/20080721222220
前作:http://d.hatena.ne.jp/indigoworks/20080725#p1