テレビのテロップに学ぶ文字装飾論 第1回 基礎編(A)

前置き

かつて私はテレビ業界の末席で短期間仕事をしていました。CGやニュース映像に挟むグラフアニメーションなどを作っていたのですが、簡単なテロップを差し挟むといった業務もしていました。
テロップといえば、文字スーパーとも言われる、今やテレビには無くてはならない、アレですね。
たかがテロップではありますが、カメラ映像にそのまま文字を置くという前提に、いかに視聴者に見やすく伝えるか、という技術は中々奥深いものでした。
さて、ブロードバンド全盛の昨今、サイトを作る上で、画像を多用するのは常識になりつつあります。記事タイトルやブログのトップバナーには、テキストではなく写真とフォントを組み合わせて見栄えを良くするケースも多いですね。
ところが、写真と文字を組み合わせる場合、その読みやすさ、目立つかどうかなどの要素にも配慮しなくてはなりません。
そこで、昔取った杵柄ではありますが、テレビで培った技術を応用して、写真と文字の効果的な組み合わせを考えてみたいと思います。
ここで使用するアプリはPhotoshop CS3です。

ハダカの文字


この写真に「ぬけるような青空」という文字を組み合わせるとします。
Photoshopで普通に文字ツールを使って打ち込むとこうなります。

この状態を「ハダカの文字」と言います。どちらかというとDTPの世界で使う用語でしょうか。一切何も装飾を施していない、という状態です。
しかし、読みにくいですね。これは、背景の草原が明るく、白文字の明るさと差が際立っていないからです。これを解決するアプローチは

  1. エッジをつける
  2. ハーフ板をつける
  3. ドロップシャドウをつける

です。文字の色そのものを変えるというアプローチもありますが、下が実写画像の場合は、大抵良い結果を生まないですね
では順番を追って見て行きましょう

エッジをつける

  • 文字のアウトラインと背景との間に、黒のふちをつけることでコントラストが生まれ、認識性が高まります
  • 白文字に対しては黒ふちを、黒文字に対しては白ふちをつけます
  • Photoshopでは、レイヤー効果→境界線で簡単に作ることができますね

ハーフ板をつける

  • 板というのは、文字の下に置く単色図形のことです。テレビ業界では「座布団」「おざぶ」と言う人もいます
  • ハーフというと、透明度を持っていることになります。下の映像をある程度「生かす」ことができます
  • Photoshopでは、シェイプレイヤーを文字レイヤーの下に敷くことで簡単に実現できます
  • エッジと同じく、白文字には黒ハーフ板、黒文字には白ハーフ板を敷きます

ドロップシャドウをつける

  • フォントそのものの雰囲気を壊さず、ある程度背景と馴染みながら認識性を高めることができます
  • 下にくる画像次第では、必ずしも読みやすい効果が得られるとは限りません
  • Photoshopでは、レイヤー効果→ドロップシャドウで簡単に作れます
  • 白文字には黒い影を、黒文字には白い影(影?)が良いでしょう*1
  • 距離、スプレッドなど弄れる値がありますが、なるべくボケが小さいほうが良いでしょう
  • あまりボカしすぎると、可読性が低くなります

今回の総括

テロップというのは、カメラの撮った実写画像にそのまま文字を流し込みます。しかし、映像はなるべく見せたい。可読性も高めたい。ただ単に可読性を高めたいのなら、黒板をおいて、白文字を置けばいいだけです。でもその間を取るのが、エッジであり、ハーフ板であり、ドロップシャドウです。*2
そしてこれらの技術はどれも、背景の映像と文字との間にコントラストを作るというのが大きなポイントです。
写真に文字を入れる時は、ハダカでは置かずに、何らかの装飾を施すようにすべきでしょう。

*1:業務では黒文字に白ドロップシャドウというのはほとんどやりませんでした。不自然だから?

*2:ハーフ板はこの中でも一番映像を潰してはいるのですが、、、